即日発表 - 2025年04月10日
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渡邉利三デモクラシー・フェローシップ 2025年度のフェロー選出者を発表
全米日系人博物館(ロサンゼルス)は、同館のデモクラシーセンター(ダニエル・K・イノウエ民主主義保存全米センター)のプログラムである「渡邉利三デモクラシー・フェローシップ」の2025年度フェローを発表しました。本フェローシップは、日本の若手・中堅世代を対象としたリーダーシップ・トレーニング・プログラムで、民主主義の価値や日米間の理解と協力を促すことによって、グローバルな民主主義を推進し、日米間の絆を強化することを目指すものです。2025年度のフェローは、石森孝志、河野美紗子、関本早冬、柴田莉沙、白川大介、白倉裕美、和島 歩、矢後千紘の8名(敬称略)です。
「2025年度渡邉デモクラシー・フェローの皆さん、おめでとうございます。日系アメリカ人の経験というレンズを通して、アメリカに対する理解を深め、日米関係を強化していってくださることを期待しています。JANMは、日系アメリカ人の歴史と声を増幅させ、全ての人が自分たちの文化的な遺産の豊かさを知り、継承していける場を作ることに力を注いでいます。対話を重視するこのフェローシップは、これまで以上に今、必要とされているものです。私たちのミッションを信じ、惜しみなくご支援くださっている渡邉利三さんに心からお礼を申し上げます。第一期のフェローの皆さんはそれぞれのお仕事やコミュニティーで本フェローシップの学びを活用してくださっています。第二期のフェローの皆さんをJANMのコミュニティーに歓迎し、より明るい未来のために一緒に学んでいけることを楽しみにしています」とJANM館長兼CEOのアン・バロウズ。
渡邉デモクラシー・フェローシップは2週間の訪米プログラムを中心とした、1年間のプログラムです。フェローらは7月に2週間にわたってロサンゼルスとワシントンD.C.を訪れ、日系アメリカ人の歴史と民主主義に関する一連のミーティング、セミナー、ワークショップを行い、さまざまな社会問題の解決に取り組む多様なコミュニティー団体や政治家、民間企業のリーダーらと対話の機会を持ちます。また、第二次世界大戦中の日系人強制収容所の跡地であるマンザナー国立史跡を訪問します。米国における政治や社会、民主主義の歴史や現状について理解を深めるとともに、彼ら自身の取り組みを発信することで、さまざまな分野で双方向の学びの場を持ちます。学びの成果は、後日、東京で開催する一般向けプログラムにて発表予定です。
2025年度フェローについては下記を、フェローシップのプログラムの詳細については、janm.org/ja/democracy/watanabe-democracy-fellowshipをご覧ください。
渡邉デモクラシー・フェローシップ第2期(2025年度)フェロー
石森孝志 Takashi Ishimori
三菱電機株式会社国際本部地域事業推進部アジアG主任。2010年に鉄鋼専門商社に入社し、アジア、アメリカ、ヨーロッパ各地域の海外営業を担当。2014年に三菱電機に入社後は、インドの地下鉄車両向け電機品の海外営業業務に従事。設計・製造部門や現地スタッフとの信頼関係を築き、プネ地下鉄プロジェクトの受注に貢献。2021年から2023年までは外務省経済局へ出向し、日EU・EPA、日英EPAといった経済条約を元に経済関係の強化に従事し、関連省庁を巻き込んだ専門委員会や作業部会の開催を先導するなど、日本と欧州経済関係を扱う業務に携わった。2023年に三菱電機に帰任して以降は、欧州地域及びアジア地域の販売会社の管理・統括業務を担当している。
河野美紗子 Misako Kono
独立行政法人国際交流基金国際対話部事業第1チーム主任。日米、日ASEAN、インド太平洋地域に関連する助成事業やフェローシップ等を担当。2021年6月から2024年9月にかけては、インドネシアの国際交流基金ジャカルタ日本文化センターにて日本研究・国際対話チーム、EPA日本語予備教育チーム、及び広報チームのアシスタントディレクターとして勤務。インドネシア勤務時には、地域を主体とする防災や環境問題に対応する活動を通じて、草の根で日本とインドネシアの連携を強化する事業を実施した。
関本早冬 Sato Sekimoto
横浜市役所国際局政策総務課担当係長。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス・アンド・ポリティカル・サイエンスにて修士号を取得後、コンサルタントとして、東南アジアの防災関連プロジェクトや海外の環境関連制度の調査等に従事。2011年に国際協力機構(JICA)へ入構し、大洋州地域の開発案件を担当するとともに、同地域の分析ペーパーの執筆等にも携わった。2013年に横浜市入庁後は、公民連携を推進する部署等を経て、現在は米州地域との国際交流等を担当している。
柴田莉沙 Risa Shibata
独立行政法人国際協力機構(JICA)ラオス事務所所員。2016年に大阪大学卒業後、東京大学公共政策大学院に進学し、コロンビア大学公共政策大学院とのダブルマスターを取得。大学院在学中にUNESCO、アジア開発銀行、国連日本政府代表部、文部科学省、在大阪・神戸米国総領事館でのインターンを経て、2019年に修了後、JICAへ入構。JICA本部ではアフリカの基礎教育支援で教科書作成やコミュニティ開発に携わり、エチオピアにも滞在。その後、東南アジア第4課に在籍し、ミャンマー、タイの国担当を経て、2023年よりJICAラオス事務所所員としてラオス赴任中。ラオス事務所では、教育、スポーツ、観光分野を担当。具体的には、基礎教育、高等教育、インクルーシブスポーツ運営維持にかかるプロジェクトを実施。
白川大介 Daisuke Shirakawa
日本テレビ放送網報道局プロデューサーとして「news zero」などを担当。2018年にゲイであることを公表して以来、日本のLGBTQ当事者に関して精力的に発信。自身が共同司会を務めるYouTube、ポッドキャストの番組において毎週ジェンダーに関して伝えている。2021年、日本の民放初となる同性パートナー制度の導入を実現。2024年には、日本の民間放送テレビ局初の多様性キャンペーン「Colorful Weekend」を主導。大学時代は社会学者上野千鶴子氏に師事し、現在はジェンダー研究と自身の当事者としての経験を活かしドラマの監修なども行う。放送業界の労働組合の産別組織「民放労連」の副委員長としても、多様性に関する取り組みを広げている。
白倉裕美 Hiromi Shirakura
お茶の水女子大学文教育学部卒業後、2010年に日本郵船株式会社に入社。同社の東京とバンコクオフィスにて、船の運航管理、海外顧客営業、法務、人事などを経験し、国内外における多様な業務を通じて国際的な視野を養う。人事グループではD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)推進に関する業務を担当。特にジェンダーの観点からのD&I推進に取り組み、各種人事制度の設計や導入、組織風土改革に向けた研修や施策を立案・実行してきた。2025年4月からは、同社にて社長秘書を担当している。
和島 歩 Ayumi Wajima
MUFGバンク(ブラジル)勤務。2010年に株式会社三菱東京UFJ銀行に入行後、国内支社での法人営業や欧州派遣を経験。2015年に着任した国際オペレーション統括部(改組後名称:国際事務企画部)では、アジア拠点の新システム導入プロジェクトに参加。2019年に米州総合管理部(在ニューヨーク)に異動し、米州拠点の事業戦略立案や管理を行った。2024年にはMUFGバンク(ブラジル)企画部副部長を経て、総合企画部長に就任。拠点戦略の作成、企業ガバナンスの強化、重要施策のサポート等を担当。サンパウロ日本人学校の理事会や現地商工会議所にも参画。
矢後千紘 Chihiro Yago
富山県立高岡高等学校の教諭として英語を教える傍ら、探究学習の推進に携わる企画研究部に所属。グローバルリーダーの育成を掲げる地域の公立校が、教員間や地域で連携をとりながら旧来型の学びからいかに脱却できるかがもっぱらの関心事である。2015年、JICA青年海外協力隊としてホンジュラスに赴任し、教育の現場に関わった経験を通じて、多様な価値観と教育の在り方について深く考えるようになった。帰国後は岩手県山田町教育委員会に主事として勤務し、東日本大震災後の教育復興に尽力した。2019年、公益社団法人ガールスカウト日本連盟の国際コミッショナー(理事)に就任し、少女たちの可能性を最大限に伸ばせるような組織を目指して意思決定に関わってきた。また、ジェンダー平等な社会に向けてのアドボカシー活動を積極的に行っている。開発学修士。
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ダニエル・K・イノウエ民主主義保存センター(デモクラシーセンター)について
デモクラシーセンターは、訪問者が過去と現在のアジア系アメリカ人の経験を検証し、人種、アイデンティティー、社会正義、民主主義の形成について話し合うことを可能にする場所です。あらゆる年齢層の人々が集い、民主主義について学ぶことで、意識変革、文化の祝祭、市民参加を促進し、重要な課題について一般市民や公務員に教育の機会および情報を提供します。それによって、コミュニティー内およびコミュニティー間で積極的な変化を引き起こすための力を生み出し、アメリカの民主主義を形成する価値観を探求します。デモクラシーセンターは、コミュニティーが自己の権利を主張し、アメリカ人であることの意味を進化させながら探求し、全ての人をひとつにする行動につながるような解決策を模索していきます。
全米日系人博物館(JANM)について
1985 年の設立より、JANM は日系アメリカ人の経験を共有することによって、アメリカの民族的・文化的多様性への理解と認識を促進してきました。ロサンゼルスのダウンタウンの歴史あるリトルトーキョー地区に位置する JANM は、第二次世界大戦中の日系人の強制収容の苦難から得た教訓が忘れられることのないよう、公民権の擁護を目的とする中心的な存在であり続けています。スミソニアン協会の加盟館であり、「アメリカの文化財」にも選ばれているJANMは、伝統的な博物館の枠を超えたハイブリッドな施設として、歴史の中心であると同時に、芸術の中心でもあります。日系アメリカ人の声を伝えるとともに、全ての人々が自らが受け継ぐ価値や文化を探求できる場を提供しています。1992年の一般公開以来、JANM 館内では 100を超える 展覧会を開催するとともに、 40 の展覧会をスミソニアン博物館やエリス島博物館などの全米各地、ならびに日本や南米の主要な博物館に巡回させました。JANMの展示施設は2026年後半まで休館中ですが、その他のJANMの施設や各地でプログラムを実施しています(janm.org/OnTheGo)。JANMの最新の情報は、janm.org をご覧いただくか、ソーシャルメディア@jamuseum でフォローしてください。