即日発表 - 2022年06月23日

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JANM

ウィスコンシン州の学校区による第二次世界大戦中の日系人強制収容に関する歴史小説の禁止に関する声明


全米日系人博物館(JANM)は、マスケゴ・ノルウェー教育委員会が10年生の上級英語の授業で、『あのころ、天皇は神だった(When the Emperor Was Divine)』の使用を禁止したことを深刻に捉えています。

同教育委員会のカリキュラム計画委員会は、新しい教科書や教材の年次推薦において、ジュリー・オオツカの歴史小説『あのころ、天皇は神だった』をその一つに選びました。アメリカ図書館協会アレックス賞とアジア系アメリカ人文学賞を受賞したオオツカ氏は、この小説で日系アメリカ人家族の強制収容経験を多角的に描いています。

2022年6月13日、教育委員会の教育サービス委員会は、同書が「制約のない」本であって、多様性を促進する意図がない一方で、「多様な」本であることを理由に選定を却下しました。また、委員会はこの小説が含まれることで、生徒が 「なぜこうしたことをしたのかというアメリカ政府の視点」ではなく、日系人の視点からの2冊の本を読むことになり、カリキュラムに「バランス」の欠如をもたらすと主張しました。

「歴史的記録は明確です。第二次世界大戦中、12万人の日本人を祖先に持つ人々が強制収容された事実について、議論の余地はないのです。公立学校区が、明らかに事実に基づいた歴史的記録を明らかにする文学作品を禁止するのであれば、公正さや正義、自由というアメリカの理想は守られません。禁止の理由は差別、ヘイト、偏見を煽るものと同根であり、1942年の強制収容を見ないふりをした一般大衆の感情を反映するものでもあります。自分の世界観とは異なる視点を育て、他者への共感やこの世界を生き抜いてことの意味を理解する機会を逃すことは生徒にとって大きな損失です」とアン・バロウズJANM館長兼CEOは話します。


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