フェローシップのプログラム
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2025年度「渡邉デモクラシー・フェローシップ」選出フェローは4月に発表
全米日系人博物館（JANM）のデモクラシーセンターでは2024年より、日本の若手・中堅世代を対象にした「渡邉デモクラシー・フェローシップ」を行っています。選抜されたフェローは２週間の訪米プログラムなどに参加し、グローバルな民主主義を実現していくためのリーダーシップを学びます。
2024年度渡邉デモクラシー・フェローシップ「訪米プログラム」の様子
全米日系人博物館（JANM） 日本では学ぶ機会の少ない日系アメリカ人の歴史。JANMのコレクション・ディレクターで学芸員のクリステン・ハヤシ博士による展示ツアーで、日系アメリカ人の経験を学びました
全米日系人博物館（JANM） 第二次世界大戦中に強制収容されたおよそ12万5000人の名前を、初めて一つに集めた「慰霊帳」。彼らの経験を振り返り、敬意を表して押印を行いました。
全米日系人博物館（JANM） 日系人の歴史に関する16万点以上の資料を収集・保存するJANMの収蔵庫。実際の物を前にすると、日系アメリカ人がどのような生活をし、コミュニティーを築いてきたのかが目に浮かびます。
マンザナー収容所跡 第二次世界大戦中の日系人強制収容所の一つで、現在は国定史跡となっているマンザナー収容所跡。リトル東京のコミュニティーメンバーと共に訪れ、パークレンジャーから案内を受けました。
総領事公邸での歓迎レセプション 曽根健孝在ロサンゼルス日本国総領事がフェローを歓迎し、総領事公邸にてレセプションを開催してくださいました。JANMの理事長ビル・フジオカ、JANM理事で俳優かつ活動家のジョージ・タケイ、若手日系人リーダーの方々が参加しました。
ホームボーイ・インダストリーズ 元ギャングメンバーの社会復帰を支援するNPO「ホームボーイ・インダストリーズ」。同団体の運営するカフェやアートアカデミーを訪問し、社会復帰の機会とシステム作りを学びました。
ユニオン・レスキュー・ミッション ロサンゼルスのスキッドローで、路上生活者のためのシェルターや教育機会、カウンセリングプログラムを運営する「ユニオン・レスキュー・ミッション」を訪問。アメリカ社会の課題に取り組み続ける団体の活動を学びました。
ロサンゼルスのクレンショー地区 1950〜60年代、日系人らが黒人コミュニティーと共に暮らしたクレンショー地区。コミュニティーに、アートに触れる公正な機会をもたらそうと活動するリーダーらから、歴史と現在の取り組みを学びました。
ラ・プラザ・デ・カルチュラ・イ・アルテス 南カリフォルニアにおけるメキシコ系移民とメキシコ系アメリカ人のストーリーを継承するミュージアム「ラ・プラザ・デ・カルチュラ・イ・アルテス」では展示を通して、その闘いと文化の豊かさに触れた後、伝統的な食の一つであるコーンのトルティーヤ作りを体験しました。
ジャパン・ハウス・ロサンゼルス ジャパン・ハウスを海部優子館長にご案内いただいた後、俳優のタムリン・トミタさんからハリウッドにおけるアジア系アメリカ人の在り方やご自身の歩みについてお話しいただきました。
KABC-TV 南カリフォルニアの主要なテレビニュース局「ABC７」のニュースアンカー、デイビッド・オノさんの案内でスタジオを見学した後、民主主義を守っていくためにジャーナリズムに何かできるか、お話をうかがいました。
ロサンゼルス・カウンティー美術館（LACMA） LACMAでは、現在改修工事が進む同館のビジョンをうかがうと同時に、学芸員の方々からアートにおけるダイバーシティやインクルージョンの取り組みについて学びました。
ドジャースタジアム ドジャースタジアムでは大谷選手の活躍を目の前で見学。アメリカの代表的スポーツで、日本人やアジア系が活躍することでもたらす社会的・経済的な影響を実感しました。
米国議事堂前 ワシントンD.C.の米国議事堂前にて。日系アメリカ人議員のマーク・タカノ下院議員（カリフォルニア第39区選出、民主党）が法案について議論する実際の議場を見学しました
国立アフリカ系アメリカ人歴史文化博物館 スミソニアン博物館の一つである国立アフリカ系アメリカ人歴史文化博物館では、ガイドの方々から、奴隷制から現在も続く人種差別の構造や、それに対する社会や政治の取り組みについて学びました。
エイドリアン・スミス下院議員とのミーティング 米日コーカスの共同委員長であるエイドリアン・スミス下院議員（ネブラスカ州選出、共和党）とのミーティングでは、日米関係に対しての期待や意義について充実した議論を行いました。
ホワイトハウスAANHPIリエゾン アジア系アメリカ人、ネイティブハワイアン、太平洋諸島系アメリカ人（AANHPI）コミュニティーとの関係を築き強化するため、バイデン大統領と直接働く「ホワイトハウスAANHPIリエゾン 」のメンバーから、政府の問題意識と取り組みを学びました。
NPOシンクタンク・ラウンドテーブル 難民の社会参加をサポートするNPOや、より公正な社会や環境を作るための法案提出の支援を行うシンクタンクなど、さまざまな団体から現場での最新の取り組みについてうかがいました。
在アメリカ合衆国日本国大使館 山田重夫在アメリカ合衆国特命全権大使（中央）から日米関係の意義や未来についてお話をうかがうとともに、渡邉フェローらは訪米プログラムを通じた学びについて話しました。
THEARC 14のNPOが入居し、全米でも最大のコラボレーションを行っている「THEARC（Town Hall Education Arts Recreation Campusの頭文字）」。フェローらはNPOの社会福祉や文化活動の役割について新しい学びと刺激を得ました
目的
対話型プログラムが育む、次世代のリーダーシップ
「渡邉デモクラシー・フェローシップ」の目的は、民主主義、多様性、日米間の理解と協力を促進していくため、日本の才能あふれる若いリーダーを集め、さまざまな分野におけるネットワークを構築することにあります。
日本やアメリカをはじめとする民主主義国家の協力関係や同盟関係は、世界的な規模で民主主義を実現し続けていくために極めて重要な役割を果たします。日米は強固な同盟国でありますが、それを未来にも確固たるものとしていくためには、持続的な理解と協力が欠かせません。このフェローシップでは、全米日系人博物館とデモクラシーセンターが持つ知識、アーカイブとネットワークを活かし、日系アメリカ人の視点からアメリカ社会や歴史、民主主義の課題とそれに対する取り組みについて学びと対話の機会を提供します。
２週間の訪米プログラムを通し、民主主義、DEI（Diversity：多様性、Equity：公平性、Inclusion：包括性）、日米間の相互理解と協力が、どのように社会や生活の中に根付き、影響を与えているかを触れると同時に、現在を生きる一人一人がその政策や制度を形づくり、変化を起こしているかを目の当たりにすることになります。渡邉デモクラシー・フェローらは、その担い手との対話を通して、双方向で学びの場を持ち、日米間でのネットワークを築いていきます。
また、多様なバックグラウンドを持つフェローらは、２週間にわたるアメリカ滞在中のフェロー内での議論やアクティビティーへの参加を経て、互いに学び合い、自らの専門分野を超えたつながりと友情を育むことになります。訪米プログラム後にも持続する渡邉デモクラシー・フェローシップの催しや、これまでの参加フェローによるメンターシップなどを通して、この渡邉デモクラシー・フェローシップのネットワークは、フェローの生涯に意味を持ち続けます。
私たちが生きる、国境を越えて人々が相互に関わり合うグローバルな世界では、さまざまなボーダーを越えたパートナーシップが重要な役割を果たします。皆さんの民主主義への参加と理解、協力関係の構築が、人間の権利や自由、公正さ、社会正義を守り尊重する社会をつくり、民主主義の価値観を支えていきます。
「バイデン大統領と岸田総理大臣は、グローバルな民主主義を推進し、日米関係を強化するために、全米日系人博物 
館が新たに創設した渡邉利三デモクラシー・フェローシップを称賛する」（「ファクトシート：岸田総理大臣の国賓待遇での米国公式訪問」より抜粋。2024年４月10日発表）
フェローシップの概要
「渡邉利三デモクラシー・フェローシップ」は、例年７月下旬に実施する訪米プログラムを中心としたリーダーシップ・プログラムに参加するフェローを毎年選抜いたします。５月下旬には、訪米プログラムに備え、アメリカ社会や日系アメリカ人、日米関係に関して事前に学ぶオリエンテーションを実施します。
訪米プログラム参加後は、渡邉デモクラシー・フェローとして、日本でのプログラムやその後のフェローのメンターシップ、新たなリーダーの推薦に関わっていただきます。また2026年に東京で開催される米日カウンシル総会にご招待し、より広い日米のネットワークにご参加いただきます。
スケジュール
2025年1月30日（木）：2025年度フェローシップ応募受付締切
2025年4月：2025年度選出フェローの発表
2025年5月30日（金）＆31日（土）：フェローシップ・オリエンテーション（東京）
2025年7月21日（月）〜8月1日（金）：訪米プログラム
2025年秋：フェローシップ公開イベントの開催（日本）
「訪米プログラム」の内容
ロサンゼルスとワシントンD.C.の２都市にあわせて約２週間滞在し、民主主義や多様性、マイノリティーのリプレゼンテーション、シンクタンクやNPOの役割など、アメリカの民主主義をめぐる課題と取り組みについて学び、その担い手と対話を持ちます。特に日系アメリカ人の視点からアメリカ社会を見る試みは、DEIについてより具体性を持った新たな理解をもたらします。
全米日系人博物館（JANM）
マンザナー強制収容所跡
ホワイトハウス